様々な出汁 味噌汁における出汁のあり方

様々な出汁 出汁の歴史

2020年09月15日 11時55分

味噌汁を美味しく食べるために味噌の勉強をするのは分かります。 
さらに味噌に合う具材の勉強をすれば、もう味噌汁に詳しくなったつもりの人がいます。 
出汁と言う大前提を忘れています。 
出汁は味噌と具材のまとめ役のようなもので、味噌汁のベースになるものなのです。 
もっとも出汁は使わない方が良い場合もあります。 
それも踏まえて、この辺りから押さえていなければ味噌汁を語るには及びません。 

出汁の始まりは室町時代に遡ります。 
北海道で獲れていた昆布が出汁の始まりとされています。 
昆布は京都で精進料理に使われたのです。 
江戸時代になると、大阪を中心に西日本各地で使われるようになりました。 
関東で使われるようになったのは、江戸時代の後期になるようです。 
そのせいか今でも、関東では出汁は鰹出汁の方が主流になっています。 

鰹節は江戸時代になってから京都や大阪の高級料亭で使われ始めました。 
鰹節を作るのは庶民には出来ませんでした。 
元々製法が難しい上に、料亭それぞれ独自の製法で鰹節を作っていたからです。 

当時の昆布出汁、鰹出汁は伴に高級な出汁として扱われていました。 
庶民は干した小鰯で作ったイリコ出汁に頼っていたところです。 
これがイリコ出汁の始まりとされています。